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おはこんばんちわ。服部です。
無事、書きあげる事が出来ました。
一人称小説「探偵という名の物語」ですね。

本当にありがとうございました。
行き当たりばったりで、書き始めて、途中休んでしまったり、
おかげで多分2,3年かかってると思いますが。
(確認したら、2007年11月23日が第一回でした)

意外と書き終えるもんだなぁと思っております。
まぁ、ラストまでの流れは、書き始めた時はぼんやり思っていましたが、
途中色んな設定が加わったり、
季節がいつだか忘れたり、
そもそも何年の話なのか忘れたり。
読み返し読み返し、ぬるぬるっと書いたのは良い思い出です。

たしか2009年の話になったんじゃなかったっけ、とちゅうでw

「ブログで小説を書いてみる。」
なんていう作家生命をどうかんがえても縮ませる行動に出たは良いものの、
小説初挑戦が無事終わって良かったよ。本当に。

楽しんでもらえたのなら幸いですが、
楽しみに待っていた方々もあれでしょ。
途中、どんな話だっけ、みたいな。

そもそも、短編のつもりだから、
15回いかず終わりたいと思ってたら、25回ですよ。
あれよあれよと。

さすがですね。
計画性の無さは完璧です。

まぁ、書籍になる小説は別として、
ブログですからね。
読みやすさだとか、行間を意識したりとか。
セリフだけの回をやってみたり、一言で終わらせてみたり。
まー、アレですよ。
編集者がいないってのはね、
自由奔放に書いて良いって事ですから。

芝居だってそうでしょうよ。

なんでもかんでも良いんです。
面白ければね。

主人公の仕事も何やってんだかだし、
どこ住んでんのか。
そもそも、名前は何なのよ!と。
まー、良いじゃないか。

アレでしょ。
ミステリアスな方がモテるんでしょ。
モテたいじゃない、この探偵さんだって。
結局、アレですよ。
男にもてて残念だったねって話ですよ。

さー、また月間ネタ考えないとなーww

なので、ちょっと月間ネタ休憩です。
予約投稿なので、
ブログ更新しない!って言ったって、
これすげー、俺元気っぽいよね。きっと。
素敵です。

じゃ、まったねー!

げんきッ!

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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学


「アレは、香坂淑恵として居たかった。
頭の中で時間と共に変化したアレは
淑恵とは違う人間になってしまいかねない。
それを、あいつは、分かっていたのかも知れませんね。」

俺は、もう、なんと言ったら良いのか分からなかった。
奥様の意図を正確に理解する事など、不可能だ。
それでも、二人はおそらく、優しい人間なのだ。
俺のような冷めた人間ではなく。

重苦しい沈黙が訪れた。
香坂は下を見つめ、おそらく奥様と会話をし、
俺自身は、なぜだか、自分が心のある部分を
疎かにしていたんじゃないかと考えてしまっていた。

その考えを振り払うように、何とか口を開いた。

「でも、あれですよ。
僕は、たぶん今日の話、忘れられませんよ。」
「探偵さん。」
「不思議な体験でしたけど、それはそれで、
なかなか出来るものじゃないですから。」

事実、そう思っていた。

「始まりは不思議でしたけどね。」
「すいません。」

ニヤッと笑って、もう一度言うと、香坂は恐縮した様に謝った。

「ま、これで納得がいきました。
私が探偵だなんて一度も思ってないですよね。」
「はい。」
「でも、奥様の話が出来て良かったですか?」
「えぇ。それは、はい。」
「それなら、それで良いか。」
「え?」
「車を買うくらいなんだ、まだまだ元気ですよ。
また友達を作って、そんな素敵な話を
聞かせてあげれば良いじゃないですか。赤の他人にではなく。」
「…そうですね。」

カップに残っていた少しのコーヒーを一気に飲み干し、
テーブルに置くと、俺は立ち上がった。

「うん、それでは。」

「え?」
香坂は突然の俺の行動に驚いたようだ。

「探偵は、調査に納得したら、すばやく姿を消す。そういうものでしょ?」
「あぁ。」
「それに、急がないと、洗濯物終りませんから。」

俺は席を立ち、出口に向かった。
気付けば、大分時間が経ってしまっていた。
帰ったところで、洗濯物をする気になるだろうか。
金を置かずに出てきてしまったが、
それ位は良いだろう。


果たして。と考えた。
自分だったら、憶えていて欲しいと思うだろうか。
それとも、奥様のように忘れてほしいと思うだろうか。

だが、忘れなければ、思い出に縛る事にもなるだろう。
人間なのだ、忘れることなど不可能だ、それでも。
それでも、忘れて貰えれば、思い出に縛られなければ、
例え残りの人生が短くても、先に進む事が出来るはずだ。

そういう事なら、奥様の願いが分からない訳ではなかった。
最愛の人間がもう会う事のかなわない自分に縛られる事は
我慢ならなかったのではないか。
所詮は推測でしかないが、そうだとしたら、ロマンチックだ。

リアリストだと言われていた俺が、ロマンチックを信じようとしている。
我ながら、笑ってしまう。


あ。


そうだ。あの、はた迷惑な男の名前は聞いたが、俺の名前は言って無かった。
俺の名前は…、
まぁ、良い。もう会う事もないだろう。





店を出た先では、人通りが激しい訳ではないが、
ある程度の人数が目の前を行き来していた。
窓越しに、自分達が居た席を見た。
香坂と目線が合った気がして、会釈をしたが、
窓の向こうの男は頭を下げなかった。

特に気にもせず、駅に向かう。
当初の予定は大分狂ったが、とりあえず、家に帰ろう。
ホーム・スウィート・ホームだ。

ふと気になった。
窓越しに見た、香坂の目が
まるでハンターのようだったのだ。
けれど、すぐに気にするのを止めた。

もう会う事もないだろうから。

駅が近づくにつれ、人が増えていく。
相変わらず、新宿は人が多い。


             -了-

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             「私を忘れて、だったんです。」
















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「アレが、淑恵が生きていた証拠は私です。
でも、私だって、もってあと10年程度でしょう。
ましてや、病気で忘れてしまう可能性だってある。
それで…。」

二の句がつげなくなった香坂の言葉を引き取った。

「それで、僕にお二人の、奥様の話を?」
「…申し訳なかったと思っています。」
「僕で良かったというのは、僕があなたの相手をしたから?」
「…その通りです。」
「しかし、話を聞いたからと言って、
僕がこの話をずーっと覚えてるかは分からないじゃないですか。」

香坂はまっこうから対抗した。

「でも、あなたが覚えてる可能性はある。
思い出さないにしても、口にしないにしても、
今日の出来事を頭の中に留めて頂く可能性はある。
それなら、アレを生き長らえさせられる可能性もあるでしょう。」

やはりどうにも、その理論には納得がいかなかった。

「それは、どうでしょう。」
「え?…どうでしょう、とは?」
「本当に忘れた瞬間に人は死ぬんでしょうか?
あなたが人の名前を思い出せなかった時、その人は死ぬんですか?
ましてや記憶など、あやふやです。
美化もされるし、悪化もする。
それは、あなたの頭の中の奥様であって、
本当の奥様では無いでしょう。」

香坂が何かを言おうとしたが、俺はさえぎった。

「覚えてるのは、それは素敵な事です。むしろ忘れてはいけない。
それは僕も、そう思います。しかし・・・。
ははは。年下からこんな事を言うのは、笑ってしまいますが、
しかし、人はいつかは死ぬんです。
それを他人を使って、その存在を知らしめたって、何の意味も無い。
違いますか?」

こんなふざけた状況で、まじめな話をこの禿げた男とするとは
思いもよらなかった。
酒だって一滴も入ってない。
少し、香坂の純粋な思いに感化されたのだろうか。
そんな自分の感覚の変化が少し笑えてしまった。

「・・・探偵さん。」

香坂が気付いたようだ。

「どうして、笑ってるんですか?」
「いや、この状況でこの会話っていうのはねぇ、どうなんですかね。」

香坂の表情は相変わらず強張っていたが、口の端に少し笑みが見えた。

「確かに。おかしな感じですね。」
「えぇ。」

香坂は冷めたコーヒーを初めて手に取り、口に運んだ。
そして、一口飲み、言った。

「…私が間違っていたのかもしれません。
淑恵が望んでいた事は、あなたの言う通りの事です。」
「と、言いますと?」
「あいつが、最期に言った、私が当てられなかった言葉は・・・。」

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香坂は俺の顔をじっと見た後、慌てて言葉を紡いだ。

「いや、最初は、です。
最初はあなたで無くても良かったのだと思います。
しかし、今では、あなたで無くてはダメです。
あなたで良かった。」

そんなフォローをされるほど、表情に出していたのか。
けれど、理由などどうでも良いと言えば、どうでも良かった。
そもそも自分が探偵だなぞと言われるのも意味が分からなかったのだ。
理由が無くて、逆に良かったではないか。
自分が探偵に見えたから、という訳ではないのだ。

街を歩くたびに何度も何度も、
「あなたは探偵ですね?」
などと声を掛けられたら、たまったものではない。

「私で良かったというのは?」
「・・・申し訳ない。」

香坂は返答をせずに、謝った。
俺は、何も答えず、待った。
香坂が口を開くのと、
グラスの中の氷が音を立てて溶けるのが同時だった。

「私達には子供がおりません。」
「それは聞きました。」
「という事は、つまり、私達の事は、私達で完結してしまうのです。」

どういう事なのか、理解できなかった。

「どういう意味でしょうか。」
「人が、本当の意味で死ぬのは忘れ去られた時。なんですよね?」
「知りません。」

驚いた。
そんな事を聞かれても困る。
確かに、どうも世の中にはそういう話がはびこっている。

だが、俺は。
それは、ただの美談だと思っていた。
人に話せば、
冷たいだの、リアリストだの、夢が無いだの言われるが、
人に覚えてもらっていても、
自分が生きていなければ、それは死んでいるのだと思っていた。

だから、生命活動で生きながらも、
意思無く生きている人間は死んでいると思っていたし、
覚えて貰っていなくても、意思がある人間は生きているのだと考えていた。

人に嫌われようが、好かれようが、
尊敬されようが、足蹴にされようが、
それは、他人の評価でしかなく、自分は自分なのだ。

「私にも分かりません。
それでも、アレを生き長らえさせられるのであれば、
自分は少なくとも覚えている。そのつもりではいます。
ですが・・・」

そこまで言って、香坂は一瞬言葉を止めた。

「ですが、私が死んだ後は?」

香坂の声に、俺は初めて、何か純粋な部分を見ていた。

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